市松人形教室 (その2)


今回は手の表情を造形しました。

手の形は指の関節部分に刃を入れてカットし

角度を調節してくっつけることで、いろいろな形に変えることができます。

私は小指を少し上げて、

中指、薬指を少し曲げた古風な感じの指先にすることにしました。
 
まず、このようにひとつひとつの指の付け根まで刃を入れてから

直したい指の根元、あるいは関節を直角にカットします。

刃を持ちながら撮影したので、ちょっとピントが合ってません。

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全部の指の根元まで刃を入れた状態です。
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とりあえず、今回はこんな形の指先にしてみました。
 
自然な形にするのはなかなか難しいものです。 

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足も少し削って、足首を作ってみました。
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次にボディの首回りの穴をヘッドが丁度良い深さに収まるようにカットしました。

市松人形の首は、西洋人形とは違って

あまり長過ぎないように作るのが良いそうです。

かと言って、あまり短すぎても

着物の衿が綺麗に見えません。

深く削りすぎないように、注意をしながら

少しずつ穴を広げて行きます。



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 ボディの上にヘッドを乗せてみました。

このくらいの首の長さが良いそうです。



今回のメイン作業は、目入れです。

まず、鼻から顎にかけてまっすぐ線を引き、

そこから目の位置を決めて

両目が同じ距離になるように、印をつけます。

次に目を入れるために、目の部分を大きく広げます。

この過程、夢中になりすぎて

写真を撮るのを忘れてしまいました。



次に目のくぼみの位置に桐塑を練り込み

目を固定させてみると、

こんな感じになりました。



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瞼がないから、人造人間みたいです。

果たしてこれから可愛い子になってくれるのでしょうか

家にいる市松さんとは大違い。

なんだか心配になってきました.......




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主人との待ち合わせ時間つぶしに

今日は東京スカイツリーの根元近くまで歩いて行ってみました。

根元から見上げるスカイツリーは圧巻です。

まさに空に向かってそびえたっています。

たくさんのダンプカーや重機が忙しそうに行ったり来たりしていました。

今日のスカイツリーの高さは488mでした。

(完成時は634m)

2011年冬に竣工。2012年春に開業予定だそうです。

スカイツリーの完成に合わせて

私の市松人形作りも上達できたらいいなぁ。



 

『Forget me not』ちゃんの着替えシート

名古屋のビスクドール教室でのお人形合宿も、今回で3回目。
 
富野先生のご指導のもとで、

次々と新しいお人形たちが生まれて来ています。

 
今回は、『Forget me not』ちゃんの着替えシートを作ってみました。




『Forget me not....私を忘れないで』


落ち着いたモスグリーンの台紙の上に

色とりどりのバラやお花のモチーフ、

素敵なドレスを着た婦人や子供達のアンティークのクロモスを貼付けて

こんな可愛い着替えシートが出来ました。

バラのクロモスの下には、アンティークのドイリーを敷いてみました。


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セットされているドレスは2種類。

清楚な白いレースのドレスに、キュートなピンクのドレス。

どちらもとても可愛らしく仕上がりました。

女の子が大好きなパールのネックレスや

秘密の花園のカギ

そして女王様のピンクのクラウンも飾ってみました。


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優しいお顔の勿忘草ちゃん。

ほんのりバラ色のほっぺが可愛いです。

 
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勿忘草ちゃんの一番のお友達はウサギのラビちゃん。

ozarukozaruさんの作品です。



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白いドレスの襟元には、パールビーズのネックレスを付けてみました。


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さぁ、お茶にしましょう♪



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記事が前後しますが

前回のお人形合宿では、

サクラビスクちゃんの他に、こんな子も作っています。




『キューピー白ウサちゃん』

富野先生の京都のお教室の白ウサちゃんとは

別バージョンのウサちゃんです。




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不二家のペコちゃんみたいなおめめが

とっても可愛いです。




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しっぽのボンボンがキュートでしょ?
 
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ちょうどこのウサギを作っていた2回目の合宿は

体調不良で指のしびれが酷く

ハサミを持つのもやっと.....

ビスクの上にファーを切り貼りする作業が

思いのほか大変でしたが

出来上がればその大変さもどこかへ吹き飛んでしまうほど

可愛い子が出来ました。


 

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勿忘草ちゃんと一緒♪
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お人形合宿の魅力は、

まる2日間大好きなお人形と向かい合うことのできる

夢のような時間を過ごせることもそうですが

レッスンが終わったあとのホテルでの

お友達とのお人形談話も楽しみのひとつです。


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(ホテルのお部屋でのリコちゃん)




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根気よくご指導してくださる富野先生、

お人形合宿に付き合ってくれるhirokoちゃん

そして合宿のために家を空けることを

快く了承してくれる家族に感謝しています。









 

市松人形教室 (その1)

お友達に誘っていただいて
 
市松人形師、藤村光環さんの仕事場を見学させていただいたのが今年の1月。
 
人形を作っていくさまざまな行程の説明を伺ったり
 
日本の昔からの伝統を受け継ぐ匠の技と心意気を目の当たりにして
 
少しでもその伝統工芸に触れてみたい気持ちが高まって
 
藤村光環さんに人形作りを教えていただくことになりました。




光環さんの工房は浅草にほど近い墨田区本所。

本所吾妻橋の駅を降りると

建設中のスカイツリーがそびえ立っています。



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墨田区は私が生まれ育った土地。

また主人の職場からも歩いて5分ほどのところで

何か不思議なご縁を感じました。

隅田川にかかる吾妻橋のたもとには

ビールの注がれたジョッキをモチーフとした

アサヒビールのビルをはじめとした多くの高層建物が立ち並び

私が生まれ育った頃とは景色が随分様変わりしました。



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でも一歩路地を入れば、

伝統を守りながら新しい技術や発想を生かして
 
ものづくりをするこだわりの職人さん達が根付いています。


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伝統的な材質と伝統的な手法を受け継がれて作られる市松人形は
 
実に74の行程に分かれて制作されます。



私は10号サイズ(40センチ)の市松人形を作ります。
 
親方曰く、このサイズは初心者でも一番作りやすいサイズなのだそうです。



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これは鋳型から抜いて乾燥させた生地。
 
生地は桐のおがくず(桐塑)に正麩糊を練り合わせたものを
 
粘土状にしたものです。
 
最初はこれの『バリ』を取るためにヤスリがけをします。
 
最初は大まかにバリを取っていきます。



ある程度バリが取れたら、一度トンカチで叩いて
 
前後に成形されているものを2つに割って分け
 
木工用ボンドでもう一度繋ぎ合わせます。
 
これは乾燥による割れを防ぐように頑丈にしておくためです。

今日の作業の中でこの作業が一番難しかったです。 
 
叩く場所や力の入れ加減が良くわからず

親方のように綺麗にパカッと2つに分かれません。

 軽く叩けば、びくともしないし

逆に強く叩きすぎると、粉々になってしまいます。
 
 

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生地表面のヒビや割れ目、凹凸には

竹ベラを使って桐塑でパテ入れをします。
 
穴埋めなどの補修をしながら綺麗に形を整えていきます。



足は足首とすねのパーツに分かれているので

それぞれの接着面を平にして2つのパーツの

前後を間違えないように接着していきます。

この時、足首とすねの角度は

できるだけ直角になるように繋ぎ合わせます。

接着したあとは、桐塑でパテ入れをして
 
つなぎ目を綺麗にならします。
 
足の指は草履をはかせるために
 
親指の根元を一度小刀で直角に切り落とし、

再度外側にずらして接着し直して指の股を作ります。

ボンドで接着したあとは、不自然にならないように
 
ヤスリで形を整えます。


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手の指も同じやり方です。 


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今はご覧のようにミトンのような状態ですが

根元を切って好きな形にして接着することによって
 
いろいろな手の表情を作ることができます。


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とりあえず、今日の過程は以上です。

このようにバリも取れて、綺麗な状態になりました。



親方の実演の見よう見まねで

あっという間に時間が経ってしまいました。

 全部の行程を仕上げるにはまだまだ気の遠くなるような時間がかかりますが

少しずつ市松さんに近づいていると思うと

楽しみでなりません。

私の市松ちゃん。どんな子が生まれてくるのかな。



 

市松抱き人形 山崎明咲展


昨日、新宿京王百貨店の工芸サロンにて開催されている

山崎明咲さんの個展に行って来ました。

山崎明咲さんはフィギュアの原型師を経て、

藤村明光改め、光環さんに弟子入りをされた

今をときめく
女流市松作家さんです。


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会場へ入ると、可愛らしい微笑みを抱いたお人形が
 
ほら、そこにも、あそこにも.....



ひとり、ひとり、お人形の顔をのぞき込む私まで

思わずにっこりしてしまいます。




明咲さんのご好意で写真撮影を許可していただきました。

Webの都合上たくさんあったお人形の

ごく一部しか載せられませんが

明咲さんのお人形展の雰囲気だけでも味わって頂ければと思います。





この子は今回のDMのモデルになった男の子。

キリッとしながらも、とても優しいお顔立ちをしています。




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この子は私のお気に入りの吉田君。(←勝手にそう呼んでます

幼なじみの吉田君にそっくりなんです。

連れて帰りたかった〜〜




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 この凛々しいお人形は天狗です。

物事全てお見通しの深く吸い込まれそうな瞳をしています。

この時はまだ進化の途中だそうで、立派な羽を装備している最中でした。


 

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ああ〜なんて可愛いのでしょう。

 この子は今回1番大きな子で18号あります。

明咲さん曰く、今回のお人形の制作途中で
 
一番化けた子(つまり一番印象が変わった子)だそうです。

ぷっくりとしたほっぺの質感がとっても良く出ています。 

 どんなおうちへ行くのかしら。


 
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明咲さんが作られるお人形にはいくつか種類があって

一般的な市松人形の他にも

この子のように、手足に球体関節を持つ子(クタちゃんタイプ)があります。

この子はおしゃべり好きの活発な女の子。



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そしてこの子は三つ折れ人形。

膝、腰、足首の三カ所を曲げることができるので、

このように上手に正座をすることができます。

もちろん、立たせることもできます。

 
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頼り気のなさそうなちょっぴり気弱な男の子。

どの子もみんな個性的で可愛い!!


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ちびっこちゃん達もたくさん!!


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この優しいお顔の坊やは、渋めの着物もこんな素敵に着こなしています。
 

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同じ男の子でもこの子はとっても賢そうなお顔立ちをしています。
 


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この子は赤い着物がとっても似合います。
鞠つきが上手そう.....

 

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この子の涼しげな目元は
どことなく明咲さんに良く似ています。


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お口をぽかんと開けて

何に驚いているのかな?


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ふふふ..なんてユニークな髪型!


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この子のおっとりとしたお顔立ちに癒されます。

こけし柄の着物もとっても可愛いです。


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お顔立ちの整った男の子。

皇族のような気品さがあります。


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とろんとしたおめめがとっても愛らしいです。


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なんて愛嬌のあるお顔なんでしょう。

この子のうれしそうなお顔を見ていると

思わず私も二コっとしちゃいました。


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かごの中ですやすや眠る女の子。

この子にはおめめ券なるものがついていて

眠り目に飽きたら、いつでも開き目にしてくださる特典がついているそうです。


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おでこが可愛い、おでこちゃん。

こんなお顔で甘えられたら、好きな物なんでも買ってあげたくなってしまいます。



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この子のちょっとつまらなさそうで淋しそうなお顔に

胸がキュンとなってしまいました。

連れて帰りたかったなぁ.....


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裸ん坊のこの子は、なぜ裸ん坊かと言うと

お着物が間に合わなかったからだそうです。

でも間に合わないうちに

新しいママが連れて帰って行きました。

この子にまた逢いたいなぁ......


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この子のお顔、誰かに似てると思ったら....

愛子内親王にそっくり!!


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この子は展示会におみえになった方の愛娘ちゃん。

あまりにも可愛かったので写真を撮らせていただきました。

京都の展示会でこの子のママになられた方で

お名前は『涼女(すずめ)ちゃん』だそうです。

ママお手製のチュチュがとってもお似合いです。


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『あれれ?あたしの、お着物どこに行っちゃったの?

明咲ママ〜早く縫ってちょうだい!』



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市松さん用のトランクセットの「楽楽小箱」。

箱は墨田区の指物職人さんが作られたもので

小さい4号のお人形と洋服や小物がセットされた

夢のような着せ替えセットです。



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陳列台の上でまだラップがついたままの子。

貴重な写真です。

明咲さんがあわててラップを取ってました。

でも、このままの方が可愛い〜〜



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以前親方の工房で見せていただいた女の子。

赤いランドセルを買ってもらってとっても嬉しそう!


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そして、今回私に付いてきてしまった山崎こえだちゃん。

ちょっぴり内気な女の子だけど

時々面白いことを言う子です。


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帰りの電車の中で何度包みを開けたい衝動にかられたことか....

でも、幸か不幸かあいにくの雨にも濡れないように

百貨店の方が頑丈にラッピングしてくださったので

変な人にならなくて済みました。



我が家のこえだちゃんの画像は

また日を改めて............





まだまだ可愛いらしい写真もあるのですが

全部お見せできなくて残念です。

明咲さん、会場でお会いしたあずさん、涼女ちゃんのママさん、

楽しく過ごさせていただいてありがとうございました。 

Elise Bride

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久しぶりにとっても素敵なお人形に巡り会えました。

 この子はマダムアレクサンダーのEliseのボディに

MarybelフェイスがジョイントされたElise Bride。

1963年に販売されたものです。


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Eliseのボディを使っているので

通常のMarybelとは違って

足首は細く、ウエストのくびれもあり

大人の体型をしています。

背の高さも違います。



前のオーナーさんがずっと箱のまま保存されていたので

時の流れを感じさせないくらい

とても良い状態でやって来てくれました。



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Marybelフェイスの花嫁さんは

この子が2体目。

以前やって来た子は前髪を作っていない子で

ドレスのデザインも違っています。


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こうやって2人並べてみると

同じモールドでも、雰囲気が違って見えます。

前髪のある子は妹さんみたい。

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サーモンピンク色のマニキュアに

こんな可愛い指輪をしています。




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お嫁さんになったMarybelちゃん。

幸せそうなMarybelちゃんの笑顔に癒されます。

*Profile*

rikarinn

物心ついた時からお人形と暮らしていた管理人のrikarinnが
大好きなお人形やアンティーク雑貨の事などを綴っています。
2001年に立ち上げた本館サイト「Myprecious dolls」は
現在リニューアル準備中なので
当面の間、更新はこちらのブログにて行っています。

※当ブログ内の写真や文章の無断転載・転用
及び二次使用はご遠慮願います。

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