東京の下町、浅草にほど近い本所というところに

人形師藤村明光さんの仕事場があります。

この地は私が小学生の頃まで住んでいた思い出の場所でもあります。


今回お友達の計らいで、その仕事場を見学させていただくことになり

期待と緊張の高まる中、仕事場の敷居をまたがせていただきました。

仕事場には各行程ごとに集められた作りかけのお人形たちが巻き藁の中で

次の行程を待っていました。

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原型から取り出され、ヤスリできれいにバリをとってもらっている子....

これから目入れをしてもらう子....

上塗りを待っている子......

昔ながらの材料を使った作業工程は実に74工程にものぼるそうです。


木型から出された頭。

桐のおがくずや、貝殻の胡粉をまぜたもので出来ています。

どの子もみんなここからスタートします。

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そして74の行程を経るうちに、お人形の個性が生まれ

世界にたったひとつしかないお人形が誕生します。





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お顔の仕上がった市松さん。

凛とした表情の中に優しさが溢れ、

気持ちがほっこりと温かくなりました。



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藤村明光さん。

父である初代藤村紫雲さんに16歳の時に弟子入りし

伝統的な技法を継承しつつ、

新しい創作人形の制作でも活躍されている人形師さんです。


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まだ制作途中の男の子ですが

その表情を見ていると、

ついこちらまで微笑み返しをしたくなってしまうような

生き生きとした笑顔の可愛い子。

どんな嬉しいことがあったのでしょうか?


明光さんのHPで見せていただいた子を

こんな間近で見る事ができてなんだか感動です。


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作業場とは別のお部屋には

今まで作られたお人形がキャビネットの中に

お行儀よく飾られています。

明光さんのブログでもお馴染みの面々に

興奮しながらシャッターをきりました。

ここだけは静かにゆっくりと時が流れています。

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こちらは明光親方のお弟子さんで昨年9月に印号をいただいた

山崎明咲さんの作品のお人形。

まるで今にも笑い声が聞こえてくるような

生き生きとした表情の女の子です。


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この子はお友達のお人形。

お友達のお顔にとってもよく似ています。


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お友達の市松さん達とご一緒させていただいて

ご満悦のおさよちゃんです。


お友達のくたちゃんのあまりの小ささにびっくりしました。

こんな小さいお顔での目きり。

どんなに神経を使う事でしょう。


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西洋かぶれの私は

今までほとんど日本人形に触れた経験がありませんでした。

でもこうして実物を間近で見せていただいたり抱っこさせていただいて

その美しさと、伝統を守り後世に伝えることの素晴らしさに

ただただ感動した一日でした。

何の知識もない私に暖かく接してくださった

明光親方、明咲さん、

いろいろ教えてくださったお友達。

貴重な体験をさせていただいて

どうもありがとうございました。




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藤村明光 『旬』 ブログ

市松人形師〜只今修行中 (山崎明咲さん ブログ)