最近、近所に大きなリサイクルショップが開店しました。

どんなものがあるのか中に入ってみると

ある一角に、古いレコード売り場が設けてありました。

見覚えのある懐かしいレコードジャケットに

少女時代に時が巻き戻ったような不思議な感覚と

レコードを探すあのワクワク感が蘇ってきました。
 

レコードの陳列棚からぱっと目に飛び混んでくる

紙のレコードジャケットはまさに芸術品です。

ジャケットアートは聴覚だけでなく

視覚からもその作品のイメージを広げることができます。

それは音楽CDのプラスチックのケースに保護されたレコードジャケットには

味わう事のできない独特の魅力を持っています。



ノスタルジックに浸りながら

ジャケットを1枚、1枚手にとって見ていると

30年前に買い逃してしまった1枚のレコードに出会えました。

『GLADRAGS.......By Labeque Sisters』


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フランスのピアニスト、カティアラベックとマリエルラベックの美人ピアニストデュオが

19世紀後半に確立されたスコットジョプリンの作品を中心としたラグタイムを

姉妹ならではの息の合った連弾で演奏しています。

姉のカティアさんが高音を、妹のマリエルさんが低音を担当しています。

ノスタルジックなレコードジャケットも素敵です。
 




そもそもラグタイムとは、19世紀から20世紀初頭にかけて

アメリカのニューオリンズで流行った音楽で

黒人の持つシンコペーションのリズムに

ヨーロッパのクラシックな和音を組み合わせたもので

ダンスホールや酒場などで演奏されていました。

TDLのワールドバザールで

車輪のついた白いピアノ(Bicycle Piano)で愉快に演奏されている曲の数々は

ディズニー音楽をラグタイムスタイルにアレンジしたものです。




私は昔からこのラグタイムの音楽が大好きでした。

特にスコットジョプリンのベシーナという曲が大好きです。

ラグタイムでは珍しいセンチメントルなスローテンポのワルツで

この時代に生まれてきたわけではないのに

なぜか懐かしさが胸いっぱいに広がります。




私が学生の頃は日本ではまだスコットジョプリンの楽譜は出版されていなくて

海外から高い輸入楽譜を取り寄せてもらうしかなく

貧乏学生にはとてもレコードまで手がまわりませんでした。


 
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そのレコードが今、目の前にある.......買わない理由などどこにもありません。




もちろん、後にCDで発売されているのは知っていましたが

ラグタイムの音楽はアナログのレコード盤で聞きたかったのです。
 
 


なくした時間を取り戻すかのように

緊張しながらレコードに針を落としました。

レコード盤に針を落とした瞬間、

パチパチとしたノイズ音が聞こえてくるにつれて

高まるドキドキ感がたまらなく好きです。


 


You Tubeにこのラベック姉妹のアルバムの

1曲がアップされていましたので

ご覧くださいね。



さすが連弾だけあって

一人で弾くよりも音の厚みときらめく響きは絶品!

 酒場の音楽というよりは演奏会向けの音楽です。

アメリカが発祥のチープな酒場の音楽なのに

2人が弾くと、お洒落なフランスのサロンコンサートのように聞こえます。



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何度か日本に来日しているラベック姉妹。

次の公演はいつになるのかな。

ぜひ生で演奏を聴いてみたいです。


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ラベック姉妹に扮しているのは

マダムアレクサンダーのスカーレット(右 Ashley's Farewell1996年)と

ボニーブルー(Bonnie Blue 1990年)

共に、『風と共に去りぬ』シリーズのお人形です。