3月のとある日、渋谷のBunkamuraで開催されている
 
会期 2013年3月9日(土)〜4月21日(日)

ルーベンスはバロック時代のフランドルの画家で

私の大好きな画家の一人です。

8年間のイタリア滞在を終えてアントワープへ戻って来た彼はそこで

大規模な工房を作り多くの弟子を従えて数多くの傑作を世に排出してきました。

日本では『フランダースの犬』の主人公ネロが

アントワープ大聖堂で最期に観た

『キリストの昇架』『キリストの降架』の作者として

思い浮かべる方も多いでしょう。

今回の展覧会ではこの2作の展示はありませんでしたが、
 
『キリストの降架』の版画作品が展示されています。


この写真は

2002年12月のMy precious dollsのHPのTop画像用に撮った

思い出の写真です。

nelofinal020


また、以前から観てみたかった『眠る二人の子供』の絵の展示があると聞いて

とても楽しみにしていました。




会場に入った途端行く手を遮るような大きな絵に圧倒。

『ロムルスとレムスの発見』

P1030294


210センチ×212センチの大きなキャンバスに描かれたこの絵は

今回の展示会の目玉だけあって、とても迫力のあるものでした。

古代ローマの建国神話を現したこの絵画は

何度か美術本やTVなどの画像で目にしたことがありましたが

実際目にした色彩は今まで観てきて脳にインプットされてきた色彩とは

あまりに違っていて、ショックを受けました。

二人の子供の肌が透けるように美しく

その下に流れる青い血管が薄く浮き出ていて

それがさらに子供達の純粋な肌の色を白く際立たせているのです。

まるで小さな心臓が動いているかのように

体温の暖かさまでも感じることができます。

他の絵も素晴らしかったのですが、この絵の印象が凄くて

あと少しで出口というところで

もう一度戻ってこの絵をじっくり堪能して帰りました。


P1030286


展覧会の図録だったら、絵のとおりの素敵な写真が映ってるのではと思い

期待しながら分厚い図録を買って来ましたが

あの透き通るような肌の再現はできていませんでした。

やはり生の絵画の色彩は写真では表す事ができないものですね。


P1030287_2


『眠る二人の子供』は想像していたよりも小さな絵でした。

真っ赤に見えるほっぺが実際の絵ではより鮮明な赤で

顔を上気させながらぐっすり寝入っている様子がとても微笑ましかったです。



会場には展覧会のグッズにまじって

「フランダースの犬」のグッズも数多くありました。

眠る子供のファイルケースがあったのは嬉しかったです。

P1030292


ただ、私はあまりにも可哀想な結末の「フランダースの犬」がどうしても好きにはなれず

グッズを買う事はしませんでした。

「フランダースの犬」はイギリスの
ルイズ・ド・ラ・ラメー(1839-1908)という

女流作家が書いた児童文学書です。

確かに物語としては最後に主人公が死んでしまった方が作品としては感動的でしょう。

私も原作を読み、そしてアニメ「フランダースの犬」を観て

声が枯れるほど泣きました。

あのアニメの最後は「死」というものを

『ネロとパトラッシュは、お爺さんやお母さんのいる遠いお国へゆきました。

もう、これからが、寒い事も、悲しいことも、お腹のすくこともなく、

みんな一緒に、いつまでも楽しく暮らすことでしょう』と結んでいます。

死んでしまうことが悲しいことではなくてそんなに素晴らしいことなのか、

大人になった今でも私にはわかりません。

ネロには生きていて欲しかった。

そしてルーベンスも超える立派な画家になって欲しかったです。