2009年を最後に、Tonner doll社は

残念ながらTiny Betsyの製造を中止してしまいましたが

2010年以降、Tiny Betsyのbodyを使ったお人形がいくつか販売されています。

そのひとつが、映画 『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラシリーズです。

Tonnerdoll社は映画の中の登場人物やそのドレスをお人形で忠実に再現することを得意とし

今までにも数多くのファッションドールを世に送り出していましたが

子供向けであるTiny Betsyのbodyを使ったスカーレット・オハラが販売された時は

とても驚きでした。




『Gone with the Wind Scarlett O'Hara』

2010年 300体限定

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マーガレット・ミッチェルの小説  

「風と共に去りぬ」を初めて読んだのは、高校生の時でした。

世界中の人に親しまれ愛されている作品とあって

期待して読んでみたのですが

多感な時期に読んだせいか、その時はスカーレットの生き様に

全く共感できませんでした。

その後、映画も見たりしましたが
 
スカーレットに対する嫌悪感は消えることはありませんでした。



人の善意に気がつこうともせずに

本当に大切なものを見ようともせずに

我がままに利己主義に走った結果が

何もかも失ったあの悲劇的な結末を生み出したのです。

言ってみれば自業自得です。



でも、年を重ねてからもう一度読み直してみると

不思議とスカーレットの生き方が少し理解できるようになりました。

確かに手段は間違っていたかも知れないけれど

蝶よ花よともてはやされて育てられた世間知らずの生意気だった小娘が

過酷な時代の荒波に飲み込まれ、

そこから這い上がろうともがき苦しみ、

浅はかながらも、今自分ができることを精一杯やり遂げようとしたスカーレットに

懸命にひとつの時代を生き抜いたたくましい一人の女性像を

感じることができたのです。


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この衣裳はまだスカーレットが人生の苦しみや悲しみを経験する前の

一番退屈で一番幸せだった頃のドレス。

段々になった白いフリルのスカートに赤いベルトが

少女らしくて、清楚でとても愛らしいです。

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Tiny Betsyシリーズでは見られなかったグリーンの瞳は

スカーレットの瞳がグリーンだったための特別仕様になっています。

衣裳ばかりでなく、瞳の色にもこだわりを見せていて

Tonner社の本気度がうかがえます。



ちなみに映画「風と共に去りぬ」のヒロインを演じた

ヴィヴィアン・リーは本来はブルーの瞳でしたが

映画監督のアイデアで

撮影中はスカーレットの瞳に黄色のライトを当てて

グリーンの瞳に見えるようにしていたそうです。

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ベッツィちゃんの頃の穏やかな眉毛の角度とは違って

左右非対称の角度が

スカーレットのフン!って鼻であしらうような

ちょっと小生意気な態度の雰囲気を醸し出しています。

同じモールドを使っているのに

ちょっとした眉の形や瞳によって、

ベッツィちゃんとは随分雰囲気が変るものですね。

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『Gone with the Wind Scarlett O'Hara Christmas in Atlanta』

2010年 300体限定

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この衣裳はアトランタのクリスマスの時  

短期間、戦地から我が家に戻ってきた

スカーレットが思いを寄せているアシュレーに

自分がこれから先、何か遭ったときは

妻であるメラニーの事をよろしくと頼まれた時に着ていたドレス。

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自己主張をしっかりするスカーレットの気持ちを表しているかのような

はっきりとした縦のラインの上身頃に

鮮やかな赤のスカートをあわせた情熱的なドレスです。

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髪型も映画に登場するスカーレットにできるだけ忠実に再現されています。

白いドレスの少女時代のスカーレットよりも

随分大人へと成長した感じがします。


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スカーレットの気持ちを受け入れることなく

再び戦地へと戻っていくアシュレーを窓越しから見送るスカーレットが

痛々しいほどせつなかったです。

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『Strength from Tara』

2011年 300体限定

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レッドバトラーと3度目の結婚をし

ジョージア州アトランタの都会から故郷タラへと戻ってきた時の衣裳を着ています。

知らず知らずのうちにタラの土地への愛に目覚めていった自分に気づき

もう一度、あの頃の時代のタラを再建してみせると心に誓った時の

スカーレットはしっかりと大地を踏みしめていました。


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あの時のスカーレットのグリーンのストライプの入ったドレスは

袖口の細部のデザインにわたるまで

そして、彼女の控えめな縦ロールの髪型まで

見事に再現されています。

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Tiny Betsyボディを使ったこの『風と共に去りぬ』のシリーズは

この2011年の3作目以降は作られていません。

この風と共に去りぬをテーマとしたお人形は

各社いろいろ販売されていますが、

どれもヴィヴィアン・リーをモデルとした

美人でスタイル抜群のスカーレットばかりですが

ベッツィちゃんのような幼児体系のボディでも

スカーレットの魅力が十分伝わってきました。


オークス屋敷の園遊会に着て行った小花柄のグリーンのドレスや

タラの屋敷のカーテンであしらった深緑のドレスなど

まだまだ見てみたい素敵なドレスはたくさんあります。


また、スカーレットだけではなく

メラニーやマミー、ボニーブルーなど

見てみたい魅力的な登場人物もたくさんいます。


マダムアレクサンダー社の8インチの『風と共に去りぬ』のシリーズでは

かなりの数の登場人物が再現されて

私もいろいろと集めてきましたので

また別の機会にご紹介したいと思っていますが

Tonner社でもこのシリーズの続きを

是非ともまた再開していただきたいです。