ビンテージ・レトロコレクション

谷中 ネコめぐり



2月のとある祝日、東京下町の谷中にぶらぶらお散歩に行きました。 
 
谷中は下町風情漂う人情味溢れる町です。

最寄り駅の日暮里はかつては駄菓子屋問屋が集まった一角がありましたが

駅前再開発が進んで 大きなビルやマンションが立ち並び 

以前とは随分様変わりしました。

でも、駅から歩いて5、6分ほどで、まるでタイムスリップしたような

昔ながらの商店街が今でも息づいています。 




このあたりは寺社や仏閣が多く

素朴な下町の風景にさりげなく溶けこんでいます。 

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谷中と言えば、谷中猫。

観光客に餌をねだって悠々自適に暮らしてます。

今日はどんなネコちゃんに出会えるかな。



谷中銀座に向かう途中で

早速こんな可愛いお店を発見。



『ネコ雑貨 ねこあくしょん』



可愛いネコモチーフの雑貨が所狭しと並べられています。

お店の看板もとってもユニーク。


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店内をぐるりと見渡すと

ネコ、ネコ、ネコで溢れてます。

ネコ好きの私にとってはたまらない空間です。



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店内を見ていると、あれもこれも欲しいという衝撃にかられましたが

谷中に来て初めてのお店で散財するわけにはいかないので

はやる気持ちを抑えつつ ここは可愛くショッピング

白ネコちゃんのオブジェとたくさんのシール、

そしてチャッピー似のKey カバーを買ってきました。


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まわりはどこか懐かしい下町の風景


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いろとりどりのかごが並べられている暮らしの道具 谷中松野屋の店頭


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近くにはがらくた市の露天商のおじさんがお店を出していました。


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思わず手にとってしまったネコ雑貨。

とぼけた表情が可愛くてついつい買ってしまいました。

なんだかどこにでもありそうな置物ですが

ネコの聖地で買うという事に意義があるような......?


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コーヒーミルにすわらせてみる..........


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そうこうしているうちに下町の面影が色濃く残っている谷中銀座が見えて来ます。


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ここの階段は夕焼けだんだんと呼ばれ、階段の下は谷中銀座の入り口になっています。

ここからの夕焼けの眺めは絶景で

かつては富士山を眺める事ができたとか。

今では残念ながら、不忍通りにそびえるマンション群しか見えません。

夕暮れ時になるとどこからか野良猫ちゃんが一匹、二匹と集まって来てくるそうです。

車の往来もないので、野良ちゃんにとっては最高の居場所のようです。




と、ここで一匹の黒ねこちゃんに遭遇

私たちの前を足早に通り過ぎて行きました。


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ここ谷中銀座は、全長175m、幅5〜6m、約70店舗が軒を並べています。

駅前再開発の波に飲まれることなく

今でも下町情緒残る活気ある商店街として

各メディアで取り上げられ連日多くの人で賑わってます。


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ふらふら商店街を歩いていたら

いつの間にか狭い道がさらに過密状態になってきて

気がついたら、近くでロケが行われていました。

この人TVで見た事があるかも。

お笑い芸人さん? 

えっと名前は......誰だっけ?



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さすが、ネコの聖地と言われるだけあって

あちこちで見られるネコをあしらったお店の看板やオブジェを

眺めながら歩くのも楽しいものです。


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お店の看板だけでなく、こんな屋根の上にも木彫りのネコちゃんがいました。

芸大の学生さんの作品だそうです。



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こちら、
『やなかしっぽや』さん

ネコのしっぽの形のスティックドーナツが売ってます。


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こちらは、
『招き屋』さんの厨房。

店頭で招きねこの形をしたたいやきを売っていて

店内のイスにちょこっと腰掛けて食べることもできます。


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この招きねこは釣りバカ日誌の北見けんいちさんのデザインで

味は6種類プラスバレンタイン期間限定のちょここあの7種類。

外はパリッと、中はふんわりでとっても美味しかったです。

ちなみに私はオーソドックスな十勝あんを頂きました。



谷中銀座を抜けてへび道の路地を散策

ここを通って根津に抜けます。

読んで字のごとく、へびのようにくねくねとまぎりくねった細い路地で

今は地下水路となってしまったけれど

その昔、ここに藍染川が流れていた名残だそうです。

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ほんの5〜6m進むと、すぐ次のカーブがやってきます。


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このヘビ道近辺には

おしゃれなベーグル屋さん
『旅ベーグル』

セミオーダーのTシャツ屋さん
『dou dou』など

個性豊かなお店があります。

このへび道を抜けたところに、動物パンでおなじみの

ボンジュールモジョモジョがあるはず.....と

へび道を迷いながら探すこと10分......



や〜ん...
今日はお休み日でした........あぁどっと疲れが......


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気をとり直して次の目的地猫町カフェ29へ......

この時点でお昼はとっくに過ぎ

連れの夫がイライラし始めました。


なんだか嫌な予感......





『猫町カフェ29』


5匹の看板猫ちゃんがいるカフェです。


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店内では猫グッズに囲まれて、運が良ければ看板猫ちゃんたちと触れ合える

癒しのカフェだそうです。

ネコの肉球をあしらったお団子とお茶のセットをいただきたくて

はるばるここまでやって来たのに

お昼ご飯を食べてなくてイライラしていた夫の

中華が食べたいの一言で後ろ髪を引かれる思いで

この場を後にしました。




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中華料理屋さんを探して根津方面をてくてく.....

せっかくだから根津神社でお参りでも.......


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ここ根津神社は今から1900年以上前に

日本武尊が創始したと言われている古い社で

ツツジの名所として知られています。


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境内にある乙女稲荷神社へと続く千本鳥居

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薄暗い木々の中に佇む鳥居を1本1本くぐっていくと、

まるで合わせ鏡の中に引き込まれてしまったような

ゾクゾクとした感覚に陥ります。

延々と続く赤い鳥居。一体どこまで続いているのか........

平衡感覚が保てなくて、別の世界に連れていかれてしまうような気がして

早くこの場から立ち去りたくなり

早歩きでこの場を立ち去りました。



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ようやく乙女稲荷神社に到着。

ほっとしました!


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根津と行ったら
『懐古どぉる』

でも悲しいかな、今日は隣に夫がいます。

ドールコレクターの憧れの聖地に

無関心の夫を連れていくわけにはいきません。

泣く泣くあきらめて次の目的地へ........





『Biscuit』

イラストレーターたけわきまさみさんの東欧雑貨を扱う可愛いお店です。


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以前根津にあった時に1度だけ行ったことがありましたが

店内所狭しと飾られたレトロな東欧雑貨の数々に

初めて行った時の感動を再び味わうことができました。

休日だけあって、狭い店内にはお客さんがいっぱい........

残念ながら写真撮影はNGということで

店内の雰囲気は、
ゆめゆめ人形館さんのブログで味わってくださいね。





今回連れて帰って来たのはこの子

たくさん並べられたお人形の中で最初に目が合った子でした。


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青い描き目のセルロイドのお人形。

どこか懐かしい雰囲気を醸し出しています。



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昔からのお友達だったような.......

レトロなデザインのお洋服もいいけれど

今度可愛いワンピースも作ってあげたいな。


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ずっとお店の外で私を待っていたくせに

なぜかお会計の時にお店に入ってきた夫.....


もう、これだから嫌だわ〜〜〜〜あせる〜〜



今度来る時は絶対一人で......だわ





『ねんねこ家』でニャンカレーセットを食べてみたかったし、

カエルグッズのお店
『かえる屋ケロリン堂』にも行ってみたかったし

『ひみつ堂』の行列にも並んでみたかったけれど

北風がだんだん強くなってきて一段と寒さを増してきたので

3時間ほどぶらぶらして帰宅の途につきました。



駅への帰り道、谷中銀座の『肉のすずき』の揚げたてメンチカツを食べ歩きしました。

肉のすずきは昭和8年創業の老舗のお肉屋さん。

ここのメンチカツは自家製で元気メンチカツという名で

テレビや雑誌にも取り上げられ

行列ができるほどの人気ぶりです。

実は私、躾の厳しい母に育てられたので


今までメンチカツとかコロッケなどの食べ歩きをしたことがありませんでした。

小さい頃、揚げ物屋さんで

友達が小さな紙袋にコロッケを包んでもらって

美味しそうに頬張っている姿を

いつも羨ましく思っていました。

今日はさして躾の厳しくない夫と

生まれて初めてのメンチカツの食べ歩き初体験でした。








夕焼けだんだんの途中で出会った猫ちゃんたち 

今日は寒い1日だったのでそんなにたくさんは出会えなかったけれど

ひだまりでほっこり日光浴してました。


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最近の昭和レトロブームやメディアの取材で追い風となって

大いに賑わっていた谷中銀座。

アーケートのシャッターが下りたままの寂れた商店街も多い中

ここには若い人がたくさん来ていて活気に溢れていました。

駅前の再開発が進む中、生き残りをかけて

大きな商業施設に対抗すべく

地元の人達のおおいな工夫や努力の賜物であったと思いますが

店頭に取材に来た芸能人の写真やサインを掲げ

観光客を相手に商売をするお店や

昔ながらの下町の商店街には似あわない

生活感のない風変わりなお店なども見られて

半ば観光地化されていた商店街の姿にちょっと違和感も感じました。

また、谷中猫を追い回して民家の敷地にまで入り込んで

カメラを向ける観光客もいて

今まで静かに普通に暮らしていた地域住民の方たちは

結構ストレスを感じているのではないかと思いました。



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懐かしい風景や癒しを求めてストレス解消のために出向く観光客とは裏腹に

かつての静かだった環境を奪われたことに対するストレスを感じる地域住民。

お互いの気持を思いやって上手に共存していって欲しいものです。


Toy Piano

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これは1900年代に作られたシェーンハット社のトイピアノ。

私のお気に入りのアンティークです。



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前面の左右にはフルートを吹いた天使。

真ん中にはアポロと

9人のミューズの女神が輪になって

楽しそうにダンスを踊っていて

ビクトリアン時代の雰囲気がよく出ています。



本体は木製で小さな鍵盤をたたくと

ロッケンシュピール(鉄琴)のような音がし、

古いものにもかかわらず、15key全ての音が出ます。



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鍵盤は白鍵のみ、黒鍵は白鍵盤を黒く塗ってあるだけなので

弾ける曲は限られてしまいますが

100年も前の子供達は

このピアノでどんな曲を弾いていたのでしょう。

遠い昔の時代に思いを馳せます。


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トイピアノと言えば

大学の時、デパートで夏休みのアルバイトで某メーカーが販売した

トイピアノの宣伝販売をしていたことがありました。

おもちゃと言えども、ピアノメーカーが作ったものであったので

音のピッチや打鍵の感覚は

本物のピアノと変わりない優れものでしたが

鍵盤のサイズがとても小さくて

最初はその小ささにとまどいながらも、

窮屈な思いをしながら言われたとおり

簡単な子供の曲を店頭で弾いていました。



そのうちに、子供の曲も弾き飽きて

2台を並べて、1台は右手、もう1台は左手で弾くと

窮屈さから解放されて

もっといろいろな曲が弾けることに気がつきました。



家からリズムボックスを持ってきて

QueenやEagles、Bostonなどのロックを弾くようになると

今まで素通りだった若い子達が立ち止まるようになりました。

一度ブースの前に数人が足を留めると

何が始まったのか、さらに数人が立ち止まり

押すな押すなの騒ぎになってしまいました。



そのトイピアノはおもちゃにしては結構高い値段だったのですが

バイト中に80台ほど売れて

あまりの売れゆきに担当者が首をひねり(?)

何でこんなに売れるのか

社長自ら、現場を見に来ました。



夏休みも中頃になると、休み明けのピアノの試験が気になりはじめ

クラシック路線に変えて

毎日、課題曲の練習をしてましたが

ある時、本物のピアノで弾いてみたら

トイピアノの小さい鍵盤で慣れてしまった指のせいで

本物のピアノが全く弾けなくなり

ものすごくあせった思い出があります。

元の感覚を取り戻すのに、かなりの時間を有しました。




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大学の購買部で半年に1度、楽譜のセールスがあって

輸入ものの楽譜や

珍しいアンティークの楽譜などが入荷してきました。

輸入ものの楽譜はとても高く、

ましてやアンティークとなると

私のような貧乏学生には

そう簡単に手に入れられる値段ではありませんでしたが

ダンボールの中の無造作に詰められた楽譜を手にとっては

素敵な表紙を眺めたり、

楽譜に目を通して頭の中でピアノを弾いてみたりで

半年に1度のセールをとても楽しみにしていました。



近頃は交通事情の発達と円高の影響もあって

以前よりもこうしたアンティークの楽譜が

ぐんと手に入りやすくなりました。

最近購入した楽譜の中で、お気に入りのはこちらです。




続きを読む

私のアンティーク


私が今までずっと使っていたものの中で一番古いものと言えば

たぶん、このオルゴールだと思います。


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これは私が3、4歳くらいの時に

父方の祖父の何かの記念日の日に親戚一同が集まり、

皆でお祝いしたあと

祖父からプレゼントされたものでした。



父方の祖父には子供が12人ほどいて

それぞれが結婚し、子供や孫もいて

お嫁さんなどもいれて親戚一同が集まると、

それはそれはたくさんの人数で

とてもにぎやかな会でした。




私の父は早くから東京に出て暮らしていたので

実家のある地元には

そうちょくちょくは帰れず

私も、おじいちゃんを見るのは

その時が初めてでした。




祖父はその昔、蒔絵師をやっていて

作業場にはいろいろ絵付けされた作品が置いてありました。

職人気質の頑固そうな人で、

ちょっと近寄りがたい印象がありました。



その時、祖父と何か会話を交わしたのかどうか

全く覚えていませんが

帰りがけに、その時みんなの中で一番小さかった私に

プレゼントされたのがこのオルゴール

祖父が絵付けしたものです。

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色とりどりのお花の咲く公園で

風船を配っているおばあさん。


黄い風船をもらった男の子。

その隣には、どの色の風船をもらおうか迷っている私。

蝶々や小鳥たちも遊びに来ました。

箱にたくさんのパンを詰めて

パン屋のお兄さんが横切ります。



子供心に、これはきっとよその国なんだわって思ってました。

今思えば、私がまだ見ぬ外国

憧れ
を抱いた最初のきっかけは

たぶん、このオルゴールからだったと思います。




その頃は漠然とした『異国』のものだったこの光景が

『フランス』だったというのがわかったのは小学校1年生の時。

図書館で見た国旗の本

あの見覚えのあるトリコロールの旗2-6-2が載っていて、

これはあの男の子が持っている国旗だと気がついたのです。



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中を開けると、どこか懐かしい異国の曲が鳴り始めます。

赤いベルベットをあしらった引き出しの中に

おもちゃの指輪やネックレスをいれたり、

大事にしていた折り紙や着せ替え人形やリボンなど、

その時、その時で入れるものは違いましたが

今までずっと大切にしてきました。



今、引き出しに入っているのは

子供の時に買ってもらったおもちゃの指輪


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マダムアレクサンダーのマザーグースのブローチと

ミニチュアコレクション。



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引き出しの中は、子供の時からお気に入りだった

パンダのシール。






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ところどころ、塗装が剥げてしまって

オルゴールのラと高いミがでなくなってしまったけれど

そこには懐かしいものや、大切な宝物

いつも入っていました。




大きくなるにつれて、この場面がフランスで

登場人物もフランス人だということはわかってきたのですが

いつまでもわからないことがあって、

それがずっと心に引っかかっていたのです。

このどこか哀愁をおびた異国情緒漂うオルゴールのメロディー




ちょっと音楽を知っていそうな大人に

このオルゴールを持って行って聴かせて

その曲名を聞くのですが

一度は耳にしたことはあるものの、

曲名まで正確に答えられる人はいませんでした。


いかにもフランスっぽくてお洒落で華やかで

でも少しどこかしら物悲しい異国のメロディー。

大きくなってからも、この曲名を知りたいという気持ちは

一層募るばかりでした。



ある時、ロンドンのHMVに入った時

たまたまこの曲が店内に流れていたのです。

私はあわてて、曲が流れている間に店員に

この曲の曲名を教えて欲しいと尋ねました。

でも、若い店員さんにはわかりませんでした。



がっかりして、ハロッズに入ったら

今度はヤマハの自動演奏のピアノがこの曲を弾いていたんです。

自動演奏ならどこかに曲名がインプットされているハズ...

そう思って、自動演奏が取り付けられているボックスを探して

そこに入っているMIDIデータを見て、

それをノートに記して

日本に帰ってからそのMIDIデーター元に問い合わせて

その曲が映画『赤い風車』の主題歌の

『ムーランルージュの唄』だということが

ようやくわかったのです。






その曲名を知りたいと思った時から30年余りも経っていましたが

ちょっとした偶然が重なって

ようやくこの曲名を知る事ができた時は

おおげさかも知れないけれど

神様からの贈り物だと思いました。




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ムーランルージュとはフランス語で『赤い風車』

パリのモンマルトンの丘にあるキャバレー

1889年にオープンされて以来

歌や踊りなどのショータイムが夜な夜な繰り広げられて来ました。

華やかな衣装で踊る情熱的なフレンチカンカン

見るもの全てを圧倒するそうです。


画家のロートレックをはじめ

世界中のブルジュワから愛された『赤い風車』。

もしもフランスに行く機会があったら

ムーランルージュにも行ってみたいな。










人形絵本

1冊の古い絵本があります。

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私が小さい頃に買ってもらった『まっちうりの少女』。

今まで何度読んだことでしょう。

表紙はボロボロにめくりあがり、印刷も色あせてしまってます。

でも、大好きな大好きな絵本です。

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この絵本の登場人物はみんなお人形で作られています。

黄色の毛糸でできた髪の女の子は

祖末なつぎはぎだらけのお洋服を着ていました。

町行く人々の暖かそうな衣装とは対照的に

女の子が着ている薄手でボロボロの洋服の質感。

道行く人達の楽しそうな表情とはうらはらに

今にも倒れそうなうつろな目をした少女の表情。

冷たい雪の上を裸足で歩く少女の足はしもやけで赤くなっていて、

雪道をジャリ、ジャリと歩く音さえ聞こえます。

着ているものや背景の鮮やかな色彩と

豊かな人形たちの表情。
 
そこにはイラストやアニメでは

決して表現できないような世界がありました。
 
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凍える中、裏通りの家の窓から見えた楽しそうなクリスマスを

女の子はどんな気持ちで眺めていたのでしょう。

マッチの炎がともっているほんの少しの間は

幸せな気持ちになれます。

そこにはおいしそうなごちそうや

きれいな飾り付けをされたクリスマスツリーが見えてきました。


でも、マッチの炎が消えてしまうと

現実に引き戻されたちまち凍える雪の中にいます。


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おばあさんに抱きかかえられ

天使に導かれ天国に登っていく最後の場面。

何度涙したことでしょう。

ページのところどころに涙のしみが残っています。



 最近、本屋さんで立ち読みをしていた時に

偶然この本のことが掲載されている本を見つけました。



『くりくりの本

かわいい手づくり雑貨 1000の手芸』


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この本を開いてびっくり。

なんと私の大好きな絵本の話が載っていました。



この本に出てくるお人形は

1950年代に人形作家の熊谷達子さん(当時は谷内達子さん)が

戦後の何もない時代に、

工場からもらった針金で人形の芯を作り

布に模様を縫って染めて作ったそうです。 

近くの手芸屋さんに行けば

いろいろな材料がすぐ手に入る今の時代と違って

苦労して材料を探し回ったり、

身近なものを工夫して作り出すのは

どんなに大変だったことでしょう。

細かいところにもたくさんのこだわりが見られ

とても丁寧に作られているお人形たち。

鮮やかな色彩や、表情豊かなお人形は

長い間、子供たちに感動を与え続けてきました。


私もこんな風に、お人形を使って

物語のページにしてみたいなと思って

トリビュートとして作ったのがこの画像です。


madame alexanderのお人形を使って

マッチ売りの少女の画像を作ってみました。


背景のドールハウスも

熊谷さんの絵本をイメージして作りました。



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私のお人形好きは

もしかしたら、この本によって
 
培われたのかも知れません。

 
*Profile*

rikarinn

物心ついた時からお人形と暮らしていた管理人のrikarinnが
大好きなお人形やアンティーク雑貨の事などを綴っています。
2001年に立ち上げた本館サイト「Myprecious dolls」は
現在リニューアル準備中なので
当面の間、更新はこちらのブログにて行っています。

※当ブログ内の写真や文章の無断転載・転用
及び二次使用はご遠慮願います。

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