Swan Lake〜白鳥の湖

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私は昔から『紙もの』が好きでした。

折り紙やペーパードールはもちろん、しかけ絵本も大好きで

気に入ったものがあると少しずつコレクションしています。
 

最近のお気に入りはこの一冊。


『Swan Lake Ballet Theatre』 

Jean Mahoney(著)
Viola Ann Seddon(イラスト)
 

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豪華な表紙の扉を紐解くと、中からこんな素敵な舞台が登場します。


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ここは白鳥の湖のバレエシアター。

中の引き出しを開けると、各場面の背景パネルと共に

バレリーナ達が今か今かと出番を待っています。

背景パネルや登場人物の他に、この物語について書かれた簡単なストーリーと

情景や人物の配置を指示する冊子、それにCDが付属されています。


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舞台を組み立てると、前面と後方にスリットがあり

それぞれ異なった背景を組み合わせることによって

ステージの奥行きが表現されます。

また床にはいくつも穴があいていて

登場人物が印刷されている透明のポールをその穴に自由にさして

好きな場所に配置することができます。

登場人物は前面だけでなく後ろ姿もちゃんと印刷されています。


 

子供向けの本なので

付属されているCDも各幕の代表的なものしか入っておらず

少し物足りない気もしますが 

CDの音楽に合わせて、場面を組み立て、登場人物を配置する.......

気分はちょっとした舞台監督 

大人でも十分楽しめます。



 早速遊んでみました。


 
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【第1幕 王宮の前の庭園】


登場人物はジークフリート王子、王妃、侍従、そして友人達。


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王宮の前の庭園では、友人達が王子の成人祝いの宴を繰り広げています。

でも王子は一人、浮かない顔をしています。

なぜならば、明日の舞踏会で花嫁を選ぶように、王妃に言われているからです。

まだまだ自由の身でいたいジークフリート王子は憂鬱でたまりません。
 


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【第2幕 月の光に照らされた湖】


登場人物はオデット姫  ジークフリート王子 

白鳥の群れ(オデット姫の侍女たち) フォン ロットバルト(悪魔)



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王子は王妃からプレゼントされた弓矢を持って、

気分転換に湖にやってきます。

湖にはたくさんの白鳥の群れが優雅に湖面を泳いでいます。

白鳥の群れに狙いを定めていると、

群れの中に1匹だけ王冠をかぶった白鳥に遭遇します。

それは悪魔の魔法によって、白鳥に姿を変えられた美しいオデット姫でした。

オデット姫と侍女たちは、夜の間だけしか人間の姿に戻ることができず

この呪いを解くたったひとつの方法は、

まだ他の誰にも愛を誓ったことのないものが、

オデットに真実の愛を誓わなければなりません。

美しいオデットに魅せられた王子は、

悪魔からオデットを守ってみせると誓います。



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(有名な4羽の白鳥たちの踊りのシーンも再現してみました。 )

 

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【第3幕  宮殿での舞踏会】

 

登場人物はジークフリート王子 オディール 王妃 フォン・ロットバルト(悪魔)

    各国のダンサー達  オデット姫の映像

 
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宮殿に華やかなゲストが次々と到着し、

王子の盛大な誕生パーティーが始まります。

世界各国のダンスが繰り広げられる中、

悪魔フォン・ロットバルトがオデットそっくりに似せた娘を連れて現れます。

王子は彼女をオデット姫と間違え、

あろうことなかれ彼女に永遠の愛を誓ってしまいます。

窓には悲しげなオデットの姿が.........

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突然真っ暗になった宮殿に響く悪魔の勝ち誇った笑い。

そこで初めて彼は騙されたことに気付くのです。
 


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【第4幕 湖のほとり】



登場人物は ジークフリート王子 オデット姫 ロットバルト(悪魔)

 若い白鳥たち(オデットの侍女) 白鳥の群れ


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オデットとオディールを間違えて愛を誓ってしまった王子は、

オデットに許しを乞うために再び湖へ行きます。

悲しみに打ちひしがれたオデットとの束の間の幸せ。

しかし悪魔は容赦なく二人を引き離そうとします。

王子と結ばれることができないのなら、

せめて人間の姿であるうちに死んでしまった方がいいと思ったオデットは

崖から湖へ身を投じます。

彼女を追って、王子もまた崖から飛び降ります。

死をも恐れぬ2人の愛の力に悪魔は滅び、

そしてオデットとジークフリート王子の2人は来世で結ばれます。



この本のシリーズには他にも、

『くるみ割人形』 『眠れる森の美女』があります。 



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バレエ『白鳥の湖』は何度か観たことがありますが

物語のラストは演出によって違います。

元々はオデットも王子も死んでしまう悲劇的なラストでしたが

その後、悪魔を打ち負かして呪いが解け2人幸せに暮らすという

ハッピーエンドで終るというものも出て来ました。

また演出によって、衣装や振り付けはもちろん、

場面の登場人物や曲順などもかなり違い

いろいろな解釈の白鳥の湖を見比べるのもとても面白いです。


 

YOU TUBEでのいくつかの白鳥の湖がありましたので、ご紹介します。

たっぷり2時間の公演ですが、ご興味のある方は2つのバレエ公演を見比べてみてください。



まずは伝統あるロシアのキーロフバレエ団の『白鳥の湖』






オデット&オディールのユリヤ・マハリナの若くて美しい白鳥と

ジークフリート王子のイーゴリ・ゼレンスキーの初々しい王子のカップル。

マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ振り付け

(改訂振付 コンスタンチン・セルゲーエフ)

こちらはハッピーエンドで終ります。
 



そしてアメリカンバレエシアターの『白鳥の湖』



 
オデット&オディールのジリアン・マーフィーと

 感性豊かなアンヘル ・コレーラのジークフリート王子のカップル。
 

マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ振り付けを元にケヴィン・マッケンジーが改訂。



物語のストーリーを追うという意味では、

さすがミュージカル大国のアメリカンバレエシアターの方が初心者には見やすく

ストーリー展開がドラマチックでとても面白いです。 

場面ごとの衣装も凝っていてとても豪華。

悪魔のロットバルトは特異なメイクと演出のために

2人のダンサーが演じ分けています。

 こちらは悲劇的な最期を迎えます。

異なった解釈で演出されたどちらのバレエもとても感動的です。




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こちらはマダムアレクサンダー『Tippi』

C.U.Gathering 800体限定

C.U.とはCollector's Unitedの略。

白鳥つながりで、秘蔵っ子をご紹介します。


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このお人形はジョージアのジュニアミスコンテストで

白鳥の湖のコスチュームを着てパフォーマンスをした

Tippi Greenさんをモデルに1988年に作られました。

Tippi GreenさんはC.U.を創設したGreenさんの愛娘。

純白の白鳥の衣装がとても可愛らしいウェンディちゃんです。



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(自分をモデルにしたお人形を持つTippi Greenさん)



<余談>今でこそ大好きな白鳥の湖のテーマ曲ですが

小さい頃はこの物悲しい曲がとても恐ろしかったです。

と言うのも私が小さかった頃、夜の9時半過ぎになると

消防自動車がこの音楽をかけて夜の町内を見回りにやってくるのですが

それまでに眠ってないと、この車に連れて行かれると

母に吹き込まれていたのです。

音楽を流しているのは消防自動車だとわかっていたら

そんなに怖くはなかったと思いますが

得体の知れない何かがあの音楽を流しながらやってくると

ぎゅっと目を閉じて布団の中で恐怖に震えていました。